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2022.05.29

5月坐禅会 四

本日早朝の坐禅会はお一人の参加者がご来山下さりました。

 

日中は暑い一日でしたが、早朝は爽やかな風が吹き抜ける本堂で静かに坐禅に集中できました。

 

ご参加のお方はフランス文学の研究者であり、現在はいくつかの大学でフランス語の講師をされているそうです。

坐禅のような東洋的なものと、フランスの西洋的なものの考えに相違はあるのでしょうか。

坐禅では丹田に気を集中させると教えます。白隠禅師も丹田呼吸法を重視していたことは有名です。

 

丹田とは、

臍下の下腹部にあり、臍下丹田とも呼びます。古代中国の医学で,丹は不老不死の薬,田はこれを産する土地を意味し,ここに力を入れれば,健康と勇気を得るとされます。

坐禅で丹田を鍛えて、腹を作るのです。

日本語でも「腹を決める」「腹を割って話す」などと言い、人の精神が宿る重要な場所は「腹」であることがわかります。

 

ところで、西洋ではどうなのかなと、お聞きしたらショパンの例を教えて下さいました。

ショパンを「国語大辞典」で引きますと

(Fryderyk Franciszek Chopin フリデリク=フランツィシェク―)作曲家、ピアニスト。フランス人を父としてポーランドに出生。パリに出て独奏者として活躍しながら、ポロネーズ、夜想曲、円舞曲など数々の繊細、華麗なピアノの名曲を作り、「ピアノの詩人」と呼ばれた。(一八一〇~四九)

とあります。また母国ポーランドへの愛国心が非常に強い方であったことが知られております。

三十九歳の若さで生涯を閉じたショパンですが、祖国をこよなく愛しながらも、ロシアなど列強の支配下にあった祖国への帰国は叶わなかったのでした。せめて心臓だけは祖国に埋葬してほしいというのが、ショパンの生前からの願いだったようです。ショパンの心臓は母国ポーランド・ワルシャワの教会に納められていいます。

 

心臓が魂の宿る場所と捉える西洋的考え、腹(丹田)が人間のエネルギーの源であるとする東洋的考えの在り方を興味深く感じました。

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