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2022.01.30
警策 ー目を覚まさせ励ましを与える棒ー
本日30日は坐禅会の日でした。
日曜日は早朝6時から始まりますので、まだ薄暗い時間に参加者は本堂に集まってこられます。
冬の坐禅会は、朝も早く、坐禅中はストーブを付けずに行いますので少し厳しい環境かと思います。
しかしながら、本日も男女3名ご参加くださいました。いずれも常連の方々です。
坐禅前に行う読経や、坐禅の姿勢・作法等、慣れた様子で取り組んでおられます。
いつも通りに坐禅の時間が終わり、解散となった時に意外な一言を聞きました。
それは、もっと強く警策を打って欲しいとう要望でした。
坐禅会では、警策は痛いだろうから弱目がよいだろうと考えていた私にとって意外でした。
「警策(臨済宗では〈けいさく〉・曹洞宗では〈きょうさく〉と読む)」とは、坐禅中に指導者が坐禅修行者に対して打つ棒のことです。
これは「警覚策励(けいかくさくれい)」の略であります。つまり、「目を覚まさせ、激励を与える」棒を意味します。
私自身、建長寺僧堂(修行道場)では、この警策を入門当初から沢山打たれて・打って参りました。
もちろん、修行僧同士ですので強烈に打ちます。
入門して2年目までは、坐禅中もひたすらに打たれるのですが、3年目くらいからは打つ方になり、打たれることは少なくなるのでした。
私は修行道場から福厳寺に戻った後も、可能な限り僧堂の摂心(坐禅集中修行期間)へ行くことにしております。
そしてたまには、坐禅中集中できていないなと感じた時には修行僧に警策で背中を打ってもらいます。
それが中途半端な警策だと物足りなく感じる時があります。年もだいぶ下の後輩ですが遠慮なく、現役の修行僧と同様にビッシッと警策を打ってもらえた時のほうが、気が引き締まったことがあります。
坐禅会参加者の発言も、同じ気持ちであったのかなと思いました。
そして、素晴らしい意気込みで坐禅会に参加して下さっておられ有難いなと思うのでした。