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2023.04.08
浴仏偈
本日4月8日はお釈迦様が誕生された日、降誕会(ごうたんえ)です。
我が国でお釈迦様の誕生を祝う降誕会がいつ始まったのかというと、なんと
推古天皇14年(606)4月8日に行われたと『日本書紀』に記されています。
日本に仏教を根付かせた、聖徳太子ご存命の時期ですので、聖徳太子が推進したのでしょう。
本堂前には生まれた時のお釈迦様の姿を現した「誕生仏」を飾る「花御堂」が設置されます。
「天上天下唯我独尊」と高らかに宣言されたお姿です。
お参りに際には、2本の柄杓が用意されていますので、誕生仏に甘茶を灌いでお祝いしてください。
お釈迦さまは母親である摩耶夫人(マーヤぶにん)の右脇から産まれると、7歩進んで右手を挙げて天を指し、左手を垂下して地を差し、「天上天下唯我独尊」と唱えられました。
甘茶をかけるのは、誕生時、産湯を使わせるために9頭の龍が2匹あらわれてお釈迦様の誕生を祝って甘露の雨を降らせたという伝説に由来します。
柄杓が2つあるのも、2匹の龍が甘露を降らせたことに由ります。
本堂正面上段には「浴仏偈(よくぶつげ)」が掛けてあります。お釈迦様の誕生を祝う偈文です。
この文を唱えながら、甘茶をそそぐと、なお良しです。
来年からは、お唱えしやすいように、しっかり柱に書いて貼っておきます。
「浴仏偈」詳しくは下記に
・浴仏偈
我今灌沐諸如来(ごきん かんも しじらい)
「我れ今、諸もろの如来を灌沐(かんもく)〈灌(そそ)ぎ沐(あら)う〉す」
浄智荘厳功徳聚(じんし そうねん くんてじゅ)
「浄智もて荘厳せる功徳聚にて」
五濁衆生令離垢(うじゅう しゅんさん りんりきょう)
「五濁の衆生をして垢を離れしめ」
同証如来浄法身(ずんしん じらい じんぱしん)
「同じく如来の浄法身を証せん」
訓読「小叢林略清規」参照
【意味】
私はいま、生まれたばかりのお釈迦さまを甘露の水でそそぎお祝いします
清らかな智慧で美しく、徳のあふれるこの上ないお姿
この世界で煩悩という汚れに苦しむ人々を、苦しみから救ってください
お釈迦さまの清らかなお心と同じような、お悟りを開けますように。
・功徳聚・・・あらゆる功徳をその身に積んで欠けたところのないもの。仏の徳名。
・五濁・・・悪世になると生じる五つの悪い現象。
劫濁(コウジヨク)(飢饉・天災・戦争などが起こること)
見濁(ケンジヨク)(誤った考えがはびこること)
煩悩濁(ボンノウジヨク)(人を迷わす煩悩がはびこること)
衆生濁(シユジヨウジヨク)(人々の心身の資質が低下すること)
命濁(メイジヨク)(人々の寿命が短くなること)の五つ。