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2021.12.09
鎌倉禅研究会
大本山建長寺で月に1度開催されている、『鎌倉禅研究会』にて当山副住職が発表者として参加させていただきました。
今回は、「蘭渓道隆と『金剛経』」という題で発表させて頂きました。
建長寺開山大覚禅師蘭渓道隆(1213ー1278)には自筆の『金剛経』が二冊現存しております。
一つは、建長寺蔵『金剛経』(重要文化財)、もう一つは京都龍光院蔵『金剛経』(国宝)です。
日本で初めて「禅寺」と称することが許された「建長寺」を創建した蘭渓は日本禅宗のなかで重要な人物ですが、その蘭渓は『金剛経』を重要経典としていたことがわかります。
今回は『金剛経』について、簡単な概略と、蘭渓が修行僧に示した教えが記されている『蘭渓和尚(大覚禅師)語録』と自筆の「法語」(重要文化財)からうかがえる重要語句を説明しました。
『金剛経』については、またブログでも書いていきたいと思います。
蘭渓の『金剛経』に記される重要語句は、上記の墨蹟から知れるように・・・
『金剛経』に曰く
若見諸相非相即見如来 (若し諸相非相と見ば、即ち如来を見ん)
です。これは『金剛経』第五章「如理実見分」にある一部です。
凡所有相、皆是虚妄。若見諸相非相、則見如來。 (凡そ有する所の相は、皆な是れ虚妄。若し諸相は非相と見れば、則ち如來に見えん)
この世界の姿形あるものは、みな全て縁によって仮に成り立っているものに過ぎない。執着によって心が物事に囚われなければ、如来は目前に現れる。