枝垂れ桜
投稿日:2014年04月02日
境内の二本の枝垂れ桜が綺麗に咲いてくれました。大雪で多くの枝が折れてしまい、心配でしたが春風と共に花開きました。
この時期は、早朝からカメラを持った方や子供連れの方が足利公園の桜と兼ねて花見に来られ境内は賑わいます。
江戸後期の禅僧・詩人だった良寛さんが花を詠んだ歌。
花は無心にして蝶を招く 蝶は無心にして花を尋ねる
花開く時 蝶来たり 蝶来る時 花開く
吾もまた 人を知らず 人もまた 吾を知らず
知らずして 帝の則に従う
花は招こうという気持ちもなく、自然に蝶を招き寄せ、蝶は尋ねようという気持ちも無く、自然に花を尋ねます。しかし、花が開く時には蝶が来る、蝶が来る時には花が開く。
そのように、私たちもまた他人の気持ちを知らないし、他人も私の気持ちを知らない。知らないながらも、自然の流れに従って出会い、めぐりあいがあるのです。
人生もめぐりあいの連続です。親にめぐりあい、兄弟姉妹、夫婦、子供、友人、たまたま今隣にいる人。また、苦しみ、悲しみ、楽しみ、喜びなどもめぐりあいです。
これは偶然でも宿命でもありません。
すべては原因があり、そこに縁が働いて結果につながる。結果が原因となり縁が加わり結果が出る。この循環の世界、仏教では「因果の法則」といいます。
たとえ悪い事があっても良縁が加われば良い結果が得られ、良い事があっても悪縁を加えれば悪い結果を招きます。それは自分の日々の行い次第。決して宿命論的なものではないのです。
縁のままに花は咲き、蝶も、人も、縁のままにやってくる。因縁の出会い、めぐりあいです。
今年は夜桜のライトアップをしております。花が散りゆくまで縁がありましたらお越しください。九時には消灯いたします。
花を見ながら、縁あっていま生きている、生かされている事を謙虚に自覚して、多くのめぐりあいを大切にしましょう。