平成２８年お盆後から始められた「セキ地蔵堂（延命地蔵堂）」の再建工事が無事に終わり、お地蔵さまが元の場所に戻られました。

新しく建てられた地蔵堂は、以前の靴を脱いで上がる畳様式ではなく、土間ですので優しいお顔のお地蔵様を近くで拝めます。

「セキ風邪をひいてしまった時には、お地蔵様の『襷（たすき）』をお借りして、身に付けていると不思議と治る。治ったらタスキを奇麗にしてお地蔵さまに掛け直す。」という、言い伝えから今でもお地蔵さまには沢山のタスキが掛けられております。

この「タスキ」も借りやすくなりました。

そして、今回の再建工事に際し、お地蔵様を久方ぶりに移動したところ、思わぬ発見がありました。

　というのも、このお地蔵さまは、福厳寺近くの畑から（現在の足利公園付近か？）の土の中に埋もれていたのを明治の初めに掘り出され、福厳寺に安置されたという経緯があります。

今回お地蔵様を移動したことで、お地蔵様の足元（台座）に彫り刻まれた文字が発見されたのです。

そこには、お地蔵様の開眼供養が宝永６年（１７０９）１０月に行われたこと、その開眼頌、協力した施主の方々の名前が書かれておりました。

３００年以上も前から、このお姿で、人々の大きな苦しみであった「セキ風邪止めに霊験のあるセキ地蔵さま」としてお祀られていることが、はっきりと証明されました。

　これからも、大切な『セキ地蔵さま、延命地蔵さま』としてお参りください。